岩手・宮城内陸地震 緊急現地調査速報
  3.磐井川流域 震源付近への被害調査
  3.2 市野々原地区

  Loc.520
国道342号線 市野々原地区(杉の沢橋) 法面崩壊
国道342号線市野々原地区では、道路脇の法面が崩壊して通行止めとなっている。
磐井川左岸側で、河川狭窄部に当り、現道上部斜面および下部斜面が崩壊している。
 
北側より望む 遷急線から下の崩壊であることが判る
現道上部斜面、コンクリート吹付工およびフリーフレーム工が施された法面が、法肩から崩壊している。
両脇のコンクリート吹付部は残存しているが、浮き上がりと亀裂が見られる。
中央部は、下段がフリーフレーム工、上部が種子厚層基材吹付だったと思われる。
施工時の法肩から崩壊している。
7/5現在では、崩落土砂の除去が終了している。
崩落岩塊には凝灰岩系のものが含まれる


  Loc.530
市野々原沿線 山地災害
磐井川沿いの山地では、随所で山地崩壊が見られた。
   
磐井川沿いの山地では、随所で山地崩壊が見られた。
山王山頂部の崩壊。

山頂部付近で一次崩壊が発生した後、左右2つの沢に別れて崩壊土砂が流下した模様である。


  Loc.540
市野々原地区 河道閉塞
堰止幅約200m×堰止長約700m 崩落土砂量173万立米
磐井川右岸側の山腹が大規模に崩壊しており、磐井川に流入して土砂ダムが形成され、河道閉塞を発生させている。

6/16には、直轄砂防災害関連緊急事業に10.7億円が採択され、6/17から24時間工事で仮排水路の開削が行われた。6/19からは排水ポンプ稼働し、6/21には仮排水路での通水が開始されている。また、調査に伺った7/5当日には仮排水路の断面拡大が完了している。
(以上国交省発表)
 
河道閉塞を引き起こした崩壊。過去の地すべりの再滑動とみられている。
山腹自体の勾配は緩い。

仮設排水路は、左岸側を掘削して設置されている。
崩壊土砂を除去すると、再滑動を誘発するおそれがあるためと思われる。
   
調査7/5当日には仮排水路の断面拡大が完了している。
調査7/5当日には仮排水路の断面拡大が完了している。
土砂ダムによって、上昇している磐井川の水位。
発災当初は、土砂ダムの水位は1.8m/日の割合で上昇していた。
左岸側の地盤は基盤岩が浅いものの、さほど硬質でなさそうである。
掘削が容易であったことが早期応急復旧の要因であったと思われる。
掘削現場には多数の監視員や照明機器が配置されており、
24時間稼働で応急対策を行っていた。
 
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