岩手・宮城内陸地震 緊急現地調査速報
3.磐井川流域 震源付近への被害調査
3.1 祭畤(まつるべ)地区
Loc.510
鬼越沢 震源地付近
祭畤大橋から北西方向へ、鬼越沢に沿って伸びる建設途上(?)の林道。
震源地に最も近い地域を通る道路である。
急斜面上にテールアルメ等で片切片盛で建設されているが、未舗装道路の路床に亀裂が入っている程度で、崩壊等は見られない。
建設年代が新しいことから、土木構造物への大きな被害は見られない。
建設年代が新しいことから、土木構造物への大きな被害は見られない。
橋台支承部にも、大きな被害は見られない。
一部の橋梁では未舗装部で橋台背面の路床沈下が発生しており、奥へは自動車が進めなかった。
Loc.511
国道342号線 祭畤大橋(まつるべ)
全面的に落橋しており、今回の地震で最も大きな被害を受けた構造物といえる。
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諸元 3径間連続鋼桁橋 橋長94m 支間27m+40m+27m)
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1978年架設(地震時保有耐力法による耐震設計が導入される以前)
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橋脚1本が倒壊、橋桁が35m下の鬼越沢に崩落して折れている
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落橋の原因自体は、地震力によるものよりも、地盤の変動の影響の方が大きいとされている
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落橋過程は、下記のように推定されている。
(1)
A1橋台(秋田方)背面地盤が一関方へ大きく滑る
(2)
A1橋台(秋田方)が橋桁を押し出し、押し出された橋桁とA2橋台(一関方)が衝突し、A2橋台パラペットを破壊して一関側へ移動
(3)
A1橋台(秋田方)から橋桁が落下
(4)
橋桁が落下して移動する際に、P2橋脚が損傷して折れる
(5)
A2橋台(一関方)に衝突していた橋桁が秋田側に引き戻されてA2橋台から落下し、橋桁全体が谷底に落ちた
一関市方(A2橋台)から岩手方(A1橋台)方向を望む
かろうじて残ったP1橋脚を頂点とし、両側へ橋桁が折れている
奥側がA1橋台(秋田方) 橋台背面の路面も変状著しい
手前側は残ったP1橋脚
A2橋台側支間の橋桁は、P2橋脚が折れて倒壊したため、下の谷底へ落下している。
A2橋台(一関方)
A2橋台(一関方) パラペットが橋台躯体部上を山側へ4m程度移動している
A2橋台(一関方) パラペットが橋台躯体部上を山側へ4m程度移動している
A2橋台(一関方)
A2橋台(一関方) パラペットが橋桁によって押されたため、踏掛板上の舗装面が隆起している
谷が深く両岸が急斜面であり、現位置での復旧は困難を極めると思われる。
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