岩手・宮城内陸地震 緊急現地調査速報
  2.荒砥沢ダム上流の大規模地すべり
 
栗原市の北上川水系迫川支流二迫川(にはざまがわ)にかかる荒砥沢ダムの直上流部で、大規模な地すべりが発生している。
地すべり規模は、およそ幅W=800m×長L=14000m×深D=100mの規模と推定されている。
既往地震災害において最大級である。
地すべり土塊移動量は100〜300m程度で、崩落土砂の一部は荒砥沢ダム湛水域に流入している。
地すべり土塊の末端一部は、右岸側西方のヒアシクラ沢やシツミクキ沢を堰き止めている。
また、シツミクキ沢の左岸側でも大規模地すべりや斜面崩壊が発生しており、さらに北側の沢でも崩壊が発生するなど、崩壊や地すべり性崩壊が多発している。
堤高H=74.4m×堤頂長L=413.7mのロックフィルダムである。
かんがい目的で1982年着工、1998年完成、農林水産省東北農政局施工、宮城県管理。
総貯水量1413万立米、うち堆砂容量62万立米
推定崩落土砂総量7000万立米、うちダム流入土砂150万立米
→堆砂容量の2倍以上の土砂が流入していることになる
   
 
今後の課題
膨大な崩壊土砂の処理
土砂処理による背後の地すべりへの影響
湛水継続の可否→9月末を目処に落水させるそうです
地すべりの素因→火山灰層・第三紀層・地形
地すべりの誘因→地震・地下水
灌漑ダム機能の保全→維持・代替のいずれか?


  2.1 地すべり地全景
  Loc.320
ダム堤頂よりの全景
   
宮城県でも有数の大きさのロックフィルダムである
堤体の機能に大きな影響を及ぼすような変形は無かったようである


  Loc.321
ダム左岸側展望台よりの全景
 
右岸西側のシツミクキ沢やヒアクラ沢でも大規模な崩壊が見られる
 
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