岩手・宮城内陸地震 緊急現地調査速報
  1.地表地震断層沿いでの調査
  1.2 中川・本寺地区
  中川地区
Loc.210
中川河岸沿いの露頭
河岸に見られる凝灰岩系の露頭。
10cm程度のオーバーハングが新たに形成されており、条痕も見られる。
これが、逆断層露頭か、層理面滑りか、研究者間で議論が分かれている。
 
下位は凝灰質細粒砂岩、上位は凝灰質泥岩と思われる。
上位側の層が約10p程度、川側へ迫り出している。
層理面には2〜3mm程度の青灰粘土を挟在しており、条痕が認められる。


  Loc.211
中川地区の水田に表れた断層露頭
中川付近では、水田や林道に変位が認められている。
NNE〜SSWに連続的的に延びる変位が認められ、西側に20〜30cm上がりの変位が認められる。
 
背斜状に水田が盛り上がるような変形が認められ、水田が干上がっている。
背斜状に水田が盛り上がるような変形が認められ、水田が干上がっている。
東側では水田面が南東側に傾動しており、上下方向に30〜50cm程度の変位が見られる。
農家の方の話では、この段差は地震後に出来たと言うことである。
断層露頭の可能性が高い。
水田が傾動したため、ブロック積擁壁が押し出されて変状している。
水田から変位が続いており、林道では西側上がりの変位が生じている。


  本寺地区 磐井川両岸
磐井川の南北両岸では、地震断層に伴うと思われる地表変状が認められる。

Loc.221
国道342号線 本寺地区の断層露頭
磐井川の北岸で、南岸の延長方向にあたる位置で、国道342号線に西側上がりで、上下変位20〜30cm程度の緩やかな変位が認められる。
 
緩やかな変位が認められる。
国道南側の河岸では、小規模な斜面崩壊が発生している。


  Loc.230
岡山地区 市道を横切って見られる断層露頭
磐井川南岸では、本寺小中学校西方のアスファルト舗装道路で変位が認められた。西側上がりの段差が認められるものの、隣接する農地への延長方向での変状は追跡できなかった。
 
西側上がりの段差が認められる


  Loc.231
岡山地区 牧場南西側の水田に見られる断層露頭
 
市道の南南西方に位置する牛舎南西側の水田が、東南東に傾斜している。
発災直後には、地面に亀裂が生じていたらしい。
 
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